内定済みの学生が就職するまでに読んでおきたい本
内定ラッシュもひとまずは収まり、就活のピークはそろそろ過ぎた頃になりました。
すでに内々定をもらえた学生は就活から解放されて、
心穏やかな日常に戻ることができているのではないでしょうか。
残りの学生生活は楽しいものになると思います。
学内では年次の高い学生ではありますが、就職するとまた一番若い世代になってしまいます。
周りには年齢が一回りも二回りも離れた世代に囲まれることになり、これまでにない緊張感にさらされます。
知らないことの方が多い状況ばかりになってしまいますが敬語の使い方をはじめとして、
事前に知識として知っておけば不要なトラブルを避けたり、1年目から目ざましい実績を残すことができることもあります。
この記事では就職後のスタートダッシュに役立つ本をご紹介します。
入社1年目の教科書
一度は見たことがある方も多いのではないでしょうか。
入社1年目の教科書です。
教科書と題うっている通り、抽象的なことばかり書いていて読み終わった後に結局何をしたらいいのかわからないような自己啓発書ではなく、
具体的にこういう行動をした方がいいという実践的な話がたくさん書かれている本です。
私は今入社して数年です。この記事を書くにあたってもう一度読み直しましたが実践できていないことや、
あいさつなど実践していたけどやめてしまったことなどもあり、今でも勉強になる本でした。
伝え方が9割
就職すると上司の報告や質問をする機会が非常に多くなります。
友達同士でなら気軽に質問はできました。授業が同じ、サークルが同じ、学年が同じと基本的に共通点が多いので、
今の自分と同じことがその友達にも起こっており、悩みや困ったことがほぼ共通しているからです。
しかし、仕事となると年齢は親と同じくらいというほど離れた上司まで存在します。
彼らと私たち若手では置かれている状況や取り組んでいる業務がまるで違うため、
簡単なことを質問するのにも「今どういう事態になっていて自分はどうしたい。」ということを伝えるところから始めなければなりません。
ところがこれがなかなか伝わらないのです。
コミュニケーションが無駄なく取れればこれほどに良いことはありません。
就職してすぐに直面する問題に答えてくれます。
超一流の雑談力
営業の本にも社内のコミュニケーションにも役に立つことが書かれています。
私は営業の仕事をしていますが誰とでもすぐに打ち解けられるほど社交的な人間ではありません。
そのため会話には未だ苦手意識がありますが、入社してすぐにこの本を読んでいたおかげで、
商談に入るまでの会話の型や心構えのようなものをいくつか準備しておくことはできました。
まだまだ未熟なのでどんどんブラッシュアップしていかなければなりませんが、
特に会話が苦手な方にとっては全く指針のない状態で仕事に挑むよりも、
全く会話ができなくて困った・・・というような状況には陥らずに済みます。
人を動かす
- 作者: デールカーネギー,Dale Carnegie,山口博
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 1999/10/31
- メディア: 単行本
- 購入: 174人 クリック: 3,319回
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バリバリの営業の本ですが、どちらかというと人の気持ちの動きに視点を当てた本です。
著者の家族や知人の話を例に出して、とても身近な例えでわかりやすく解説してくれています。
たとえに出てきた話を想像すると「確かにそうしたくなるなぁ」と唸ってしまうような話が多くありました。
営業を指南する本には、「〜〜効果でこういう行動をすれば人は〜〜のように感じやすくなる。」と、
よく心理学のお話を引き合いに出して解説されますが、悪く言えば人の気持ちを操作して自分に都合の良い方向へ誘導するような書き方をしていることがあります。
この本はそういった書き方はせず、文章がもっと人に寄り添っているというか、読んでいる自分が著者にとても惹きつけられるような感覚がします。
金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学
改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本)
- 作者: ロバートキヨサキ,白根美保子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/11/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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人前でお金の話を大きな声で話すことははばかられます。
お金は汚い。そういったイメージが人々の気持ちの深いところに根ざしているからだと思います。
しかし、実際お金の話が一番といっていいほど大事です。その重要性は人間関係や健康に引けを取りません。
お金がなければ何もできないです。全ての人が持っている不安の一つはやはりお金がなくなって生きていけなくなるという恐怖があると思うのですが、
健康なうちは良いのですが、だんだんと年を取ってきて体一つでお金を稼げなくなってきたときに考え出すのでは遅いです。
後々になってお金に振り回されないために、一番最初にお金のことを本気で考えなければなりません。
この本は一時期ブームになった本ですが、これからたくさんのお金を扱うことになる私たちにとって重要な原理原則が描かれた本です。
お金持ちになれる黄金の羽の広い方 知的人生設計のすすめ
先に紹介した金持ち父さん貧乏父さんの著者はロバート・キヨサキという方で日本人ではありません。
基本的な考え方はとても勉強になりますが近い内容の本がもう一冊あります。それがこの本です。
こちらは日本人が日本で生活することを前提に書いた本ですので、より私たちにとって役立つ話が多いです。
また、「好きなことで生きていく」という最近の流行りに近い話もあります。
なにもYouTuberになれという話ではなく、
寿命が延びたことでより長く生活をしていかなければならなくなった私たちの世代が、老後を含めた人生をどう切り抜けていくかを現実的に考えています。
決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法
決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 (朝日新書 44)
- 作者: 國貞克則
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2007/05/30
- メディア: 新書
- 購入: 35人 クリック: 325回
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基本、私たちのお金の流れは「給料をもらう→何かに使う。残った分は貯金」という動きをします。
しかし、会社のお金の流れはもっと複雑なようです。
私たちは雇われて働く場合は給料さえ途切れなければ生活に困ることはありませんが、
給料を払っているのは所属する会社で、その会社のお財布事情がどうなっているのかを知らないと、大変な状況に陥っていても気がつかない恐れがあります。
おそらく、私たちが60歳を迎える頃には定年は後ろにズレてしまし、働く期間は40年を超える可能性が高いです。
それほど長い間働くのに、その間ずっと同じ会社で働き続けられるかはわかりません。
自身の理由か、会社側の理由かに問わず、他の場所へ移らざるを得ない時が来るかもしれません。
結婚相手を選ぶ時は経済的な体力があるかは重要な要素ですが、
会社を選ぶ時も同様です。今自分の所属する会社の、次に就く会社の懐事情を自分で確かめられるようになるために読んでおくべき本です。
金融の世界史:バブルと戦争と株式市場
漢字が多いからか少し読みづらい印象がありますが、お金の歴史が解説されている本です。
実はこの本を読んだのは最近のことなのですが、正直1回読んだだけではわからない部分や、興味のわかない箇所も多くありました。
なので今再読中のところです。
この本を含めて合計3冊のお金の歴史をテーマにした本を紹介しているのですが、
お金の起こりのところから書かれているので、
今は当たり前のように存在しているけど実際はよくわかっていない銀行や株、保険について、その仕組みでなく背景をこの本で知ることができます。
12大事件で読む現代金融入門
こちらもお金の歴史をテーマにした本ですが、より近代の話にフォーカスしています。
テレビ番組で経済のことをテーマにした時、80年代のバブルのお話や戦争前後の話がよく引き合いに出されます。
しかし、お金自体や株や保険などの起源などもっと昔の時代に遡った話はそれほど多くありません。(これは主観ですが)
なぜ1900年代の話が多いのかといえば今の高齢者の世代がリアルタイムで経験してきたことだからでしょう。
誰もが実際に経験してきたことなので、基本的な説明がなくとも当時の世相を知っています。
だから1950年から1990年代までの話をテーマにした内容は今の高齢者層にウケがよく、切り口を変えて同じ話を何度も繰り返しているのではないかと思うのですが、
私たち若い世代には初めて聞くこともあるし、知っていても話でしか聞いたことがないことが多いです。
なのでテレビを見ていて話はわかったもののイマイチ内容がわからない。腹落ちしない。みたいなことが多いのですが、
この本では最近(といっても数十年前ですが)の話を中心に書かれているので、
これから経済番組を見る時の理解が深まります。
ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理
- 作者: バートンマルキール,Burton G. Malkiel,井手正介
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2004/04
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 26回
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投資するなら長期投資のほうが良い。という本なのですが、その結論へ至るために様々な出来事を検証していきます。
その中にはバブルの頃のお話もたくさんあり、株がどのように動いてきたのかが図解とともに解説されています。
分類としては投資に関連するのですが、道中でお金、特に株についてより詳しく触れられているので、3つあげた中では金融史的な話では一番面白く、興味を持って読めました。
まとめ
この記事でテーマにした本は、大きく分けて3つあります。
一つめは新入社員としての過ごし方、2つめは自分のお金の管理について、
三つ目はお金の歴史です。
個人的に一番面白いのは、三つ目のテーマなので最後に紹介した3冊を一番読んで欲しいなと思っています。
話はかわりますが学校の先生で面白い人って社会に多くありませんでした?
私は社会の先生が好きだったのですが、他でもなくなぜ社会の先生の授業が面白かったのかというと、
勉強していることの背景や理由を説明してくれていたからではないかと思っています。本当に社会の授業でハズレはありませんでした。
単純に歴史が好きだということもあるのですが、
今当たり前のように存在していることがどのような経緯で生まれてきたのかを聞いた時ってとても興味をひかれますよね?
この記事で紹介した本のどれかに書いてあったのですが、
サラリーマンのサラリーという言葉は英語で言う給料の意味に当たりますが、元となったのはラテン語で、salariumという塩を意味する言葉だったそうです。
塩が給料として払われていたのでしょうか?気になるところですが、
老後になってもお金のことを考え続けなければならないほど、私たちはお金に支配されています。
とにかく頑張って働いていれば若いうちは給料も増えていくかもしれませんが、必ずどこかで頭打ちがきます。
そんな時にどうやってお金を管理するか、使っていくかを考えなければなりません。
勧められるままに保険に加入してしまったり、煽られるままに仮想通貨に投資してしまったりと、私たちのお金は常に何者かによって狙われています。
将来にわたってお金に困ることがないように、早い段階からお金の知識をつけておきたいという考えがあることが、
お金の歴史の本が面白く、一番読んで欲しいと思う理由です。