仕事と就活のメモ帳

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就活生に伝えたい。証券会社の仕事内容[業界研究]

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こんにちは。

どの企業に就職するかを決めるには、業界研究や企業研究が必須です。

OB訪問や説明会でも十分に情報を集められますが、

その業界で働いている人からしか聞けない事もあります。

今回は証券会社の仕事について紹介していきます。

新人の仕事は新規開拓

就職したばかりの1年目の社員の仕事は、新規開拓です。

対象の地域を市町村単位で決めて、

片っ端から電話と訪問を繰り返していきます。

新規開拓のキーワードというのがあり、DTVと呼ばれます。

D=ダイレクトメール

T=テレコール

V=訪問

この3つをひたすらに繰り返していきます。

それぞれ長所と短所があり、

どれに重点において新規開拓をするかは、

配属された支店や先輩・上司との相談内容によって決まります。

 

Dのダイレクトメールは、DMを送ることで、いわばチラシです。

郵送が可能なのでタッチ件数はダントツで多くなります。

ただ、誰しも経験があるでしょうが、

ポストに投函されたチラシなんてほとんど見ません。

数は当たれますが効果は一番薄いです。

 

Tのテレコールは、その名の通り電話をかけます。

電話口での対応は人によって様々で、証券会社と言うだけで電話を切る人もいれば、

新人だからという理由でアポイントをもらえることもあります。(社長に多い)

法人へのタッチは基本的に電話で行います。

飛び込み訪問も行いますが、社長が不在だったり忙しくて時間を取れない。ということもよくあるので、時間を見計らっての電話をしていきます。

飛び込みよりも数は多く当たることができますが、

受付の方が社長につないでくれない事も多く、難しい印象です。

電話を受ける方からしても、電話口でなら断りやすいという側面もあるかもしれません。

なにはともあれ、新規開拓のメインの方法です。

 

Vは飛び込みです。

会社の事務所を見つけ次第とにかく飛び込んでいきます。

顔を合わせて話をすることができるので、

運良く社長と会うことができればトントン拍子で話が進むことがあります。

ただし、地方では法人の数が少なく、企業と企業の間に距離があるなど効率が悪くなることがあります。

また、反社会勢力に関わる人と運悪く接触してしまった場合はとんでも無いことにもなることもあります。

意思決定者と会うことさえできれば、効果は一番高くなります。

 

ノルマは振られるのか?

支店によります。

主観的なものですが、同期の話を聞く限りは大型の店舗になるほど、

実績や数字を達成しようという意識は高くなるので、

ノルマの割り振りがされることは多いようです。

厳しいといえば厳しいですが、

大型の店舗には全国から集まった会社のエースが集まるため、

他では聞けないアドバイスを常にもらえたり、

本部からの支援体制も厚かったりなど、

プレッシャーに負けない気持ちさえあれば大きな結果を出せることも多いです。

 

逆に小さな店舗では

ノルマが課されないこともままあります。

大型の店舗で受けられるような厚いサポート体制は少ないことがありますが、

支店長をはじめとして年次の高い先輩へも相談しやすいなど、

支店の雰囲気は優しいこともあります。

1年目の社員の成績上位者は、地方の支店から出ていることも多く

必ずしも大型の店舗でなければ成績が出ないというわけでもありません。

結局は人によるのかもしれません。 

 

2ちゃんでうわさの「詰め」

証券会社は、その職場環境の厳しさから2ちゃんなどでよくネタにされています。

内定を辞退すると、

カレーをぶっかけられたり、

コーヒーをぶっかけられないように

先に飲み干してしまったら逆に褒められたり、

電話の受話器を手にぐるぐる巻きにして電話をしたり、

怒られるときに四季報が飛んでくるので、「四季砲」なる言葉があったり、

本当に色々な噂があります。

 

これも、支店によるとしか言えないのですが

昔はめちゃくちゃやっていたという話を聞くことがありますが

内定辞退に関連してとんでもないことをされたというような話は聞きません。

今、そういうことがあれば不祥事としてすぐに広がることになりますし、

就職活動は、広報活動という側面もあるので

学生は将来のお客さんになる可能性もあるので、

おかしなことはそうそう無いだろうとはおもいます。

 

ただ、大型の店舗に行けば社員数が多くなるので

厳しい先輩も中には居ることかもしれません。

しかし、ワークライフバランスや職場環境の改善が、

企業の重要な課題となっている今では、

理不尽に怒ったりすることはできません。

怒り方が厳しくてもきちんとした理由があるはずです。

めちゃくちゃなことを言う人はすでに少数派なのではないでしょうか?

とは言ってもこれは私から見た範囲のことです。

いずれにしても、実際に配属されるまではわかりません。

先日先輩に言われた言葉ですが、

「親と上司は決められない」とのことです。

こればっかりは運だと思います。

 

本部の仕事は?

営業店に配属されたので、正直本部ではどのような仕事があるのかはイマイチよくわかっていません。

具体的な話はできませんがおおよそで言えば、

株式、債権、投資信託など、特定の商品に特化した知識を持つ部署、

自社の資金を使ってトレーディングをするディーラーの部署、

企業や業界の調査を行って外部に情報を提供する部署、

相続に関わる税金や不動産など、資産の保全に関する部署

果ては自社のトレーディングをサポートするシステムを作るため、

プログラムを行う部署など、把握しきれないほどの数があります。

希望すると営業店から本部に転属になることもあります。

ここを目指して働いてる方も多いのではないでしょうか?

 

お金の話をすると、営業職の方が成績を残すことができれば

給料は多くなります。

サラリーマンでも年収が2000万円を超えると確定申告と言って

自分で税金の申告をしなければなりませんが、

確定申告をしているという話は営業職では時折聞きます。

トップセールスは3年目で年収が1000万円を超えることもあるようです。

証券会社に就職しようという人は、「年収が低くても良い。」

という考えを持つ人は少数派だと思いますが、

何を重視するかで、目指す業種や、職種、部署が変わります。

当たり前といえば当たり前かもしれませんね。

 

職場の人間関係

先日、研修の時に同じだった同期の友達が、

会社を辞めたいと言っていたのを聞きました。

人間関係の悪化が原因です。

上司の指示で外出していたところ、トラブルが起こったことが原因のようでした。

先輩や上司との折り合いが悪くなれば、当然その職場での居心地は悪くなります。

それが成績に良い影響を及ぼすはずがありません。

これはどんな会社であっても同様の話で、

証券会社特有の話ではないのでしょうが、

べたべたとすることまではなくとも、

できる限り周りの先輩や上司とは仲良くしていたいですね。

2018/5/27追記

ちなみに、ここに書いた同期は今でも仕事を続けています。

人間関係がこじれると辛い状況になることがありますが、

社員の働きやすさも考慮されるようになっているので、

支店内の課の編成を一新したことで彼はその後、営業成績を伸ばしています。

 

証券会社の今後は?

ここからは完全に個人の意見になりますが(ここまでもそうですが)

証券会社の今後がどうなっていくのか、

少ない知識の中で、今思っていることを書きたいと思います。

一言で言うと、就職先としての人気が落ちると思います。(追記しました↓)

証券会社では、人件費の割合が他の企業よりも圧倒的に高いです。

言い換えれば給料が高いです。本当に高い。

平均年収が1000万を超えるのは、昔からの魅力の一つです。

実在する物としての商品を扱う仕事ではないので、

在庫などに関するコストが少ないことと、

精神的な負荷が多いことがその理由になっています。

2018/5/27追記

就職先としての人気が落ちるかどうかは今の所わかりません。

どうしてこんなに自信満々に書くことができたのか謎です笑

2018年4月の東洋経済の記事に就職人気ランキングが載っていますが、

その記事によれば、金融は第一志望からは外されつつも、

ランキングトップをみてみれば未だ多い状況です。

トップ10には証券会社が2社ランクインしています。

人手不足、売り手市場と言われることが多いです。

労働力が少なくなるとその価値は上がります。

なので人件費が高くなっていくのですが、

もともと金融業は人件費が高い部類です。少しでも人件費を抑えるために、

バックオフィス業務を自動化しようという動きが活発になっているため、

社員数が減る可能性はあると考えています。

 

証券会社のメインターゲットは富裕層です。

富裕層というと会社を退職した人や経営者、相続リッチ、地主などです。

特に最近は相続関連の業務にも力を入れています。

相続といっても、90代まで生きる方も多く、

人間の平均寿命が延びていることから、

50代、60代が遺産を受け取る相続人のメインの年齢層となります。

そのため、お金を持っているのは高齢者となり、

証券会社のお客さんも必然的に高齢者がターゲットになります。

若年層はこれから資産を形成していくために働かなければならないので

証券会社における顧客としての割合は高くはありません。

2018/5/27追記

しかし、若年層の資産形成の重要性は高まっています。

2018年からつみたてNISAという制度が始まり、

年金を自分で準備するための確定拠出年金という制度も加入の対象者が増えました。

私も両方使っているのですが、

学生の時から利用することができますし利用すべき制度です。

 

今、証券会社を利用する上では、

徹底的に手数料を抑えることが重要になっています。

ネット証券の台頭で、よりコストを抑えて投資することが可能になってきた今では、

わざわざ手数料の高い店舗型の証券会社で取引しようと考える人は少数派です。

これはインターネットの利用者が多い若年層にかけてより顕著なはずです。

今の富裕層の方は、昔ながらの対面での取引を望む方もいますし、

ネット証券の利用はなんとなく抵抗があるという方もいます。

そのため、今でこそ店舗型の証券会社は現状を保つことができています。

しかし、世代が一巡してネット証券への利用に抵抗がない人が増えれば、

店舗型の証券会社は利益が出しにくくなっていきます。

勉強不足でより詳しく書くことはできませんが、

フィンテックなどの技術の発展もあります。

大手証券会社でもロボアドバイザーの導入が予定されています。

ロボアドバイザーを使うことで自分の資産のうち、

どれくらいの割合を何に充てるか、

そういったサービスを自分で考えることなく、

AI(人工知能)によって手間をかけずに決められるサービスが

普及してくると、対面での営業の意味が薄れていきます。

 

そうなってくると、店舗型の証券会社では

人件費の高さが原因で苦しくなります。

なので、

証券会社の営業員の数は成績の悪い社員から、

リストラなどで減っていくのではないかと思います。

また、そうでなくとも給料の減額が起こるかもしれません。

そうして社員を削減していき、最後に残るのは、

資産のポートフォリオ作成ができ、税制にも詳しく、

経済や相場の展望について誰よりも詳しく話すことができ、

さらには有望な投資先までを事細かにチェックしているような、

本当に優秀な人だけが残る少数精鋭の業界になる気がしています。

エグゼクティブと呼ばれるような本当のお金持ちには、

そのような社員が対面で営業を行い、一般の投資家はAIを最大限に活用する。

今すぐにというわけではないですが、

10年後20年後にはそうなっているように思います。

こう書いてしまうとあまり良いイメージがわかなくなるかもしれませんが、

他の会社とは段違いの多さで人(普通では会えない経営者)と会うことができ、

その中で営業スキルを鍛えられ、

金融や税制や経済や社会情勢に対するアンテナを高く張ることができる。

そういったメリットがあるのは間違いないです。

お金の面で強くなれるという意味では、

証券会社はとても良い就職先の候補になると私は思います。

終身雇用が崩れていると言われて久しいですが、

雇用の流動性が高くなっても条件が良ければ転職はしません。

同じ会社で働き続ける人も一定数いるでしょう。

逆に、一つの会社でずっと働き続けなければならないなんて決まりはないし、

数年間、修行をするために働く場所と考えるのであれば、

これ以上に良い業界は無いとは思います。

 

2018/5/27追記

この記事は就職して半年してから書いた記事です。

この追記を書いている時点では3年目の社員です。

自分の書いた文章を読み返してみて、改めて感じるのは

最後の部分、「経営者など普通は会えないような人々にたくさん会える。」

これは今でも本当にそうだと感じています。

営業をしながら経営者の人生経験を吸収することができます。

ずっと会社に雇われて生きていく人が多いなか、

独立志望で証券会社に入社する学生が多いのは、こうしたメリットがあるからですね。

先日も社長に話を聞いてきました。

ある社長の創業から今に至るまでの話と、

その話を聞いて感じたことをこの記事に書いています。

天職とは何か?