ほめることから始まる、人間関係を改善するヒント。
最近よく耳にするコーチングに関する本を読みました!
ほめる」という行為がタイトルに乗せられていますが、コーチング
人間関係の構築があまり得意ではないのですが、何とかしたいと思い購入した本です。
「箇条書きでこうしておけば良い」というような、内容の薄い単なるノウハウ本ではなく、「アクノレッジメント」を通して、良い環境を作ったり、
人と接するときのヒントになると思えた言葉がたくさんありました。
読んでいて気づいたことを概要と一緒に書き残しておきます。
概要
アクノレッジメント
コーチングは自己説得のサポートを目的とします。
自己説得とは相手に質問をして答えるプロセスの中で、自然に自分自身がある行為に向けて自分を説得して動くということ。
他人から指示されるよりも、この自己説得によって行動すると、
より現実化する可能性が高いとされています。
そして、その目的地へたどり着くためのエネルギーやモチベーションを供給することを「アクノレッジメント」と呼びます。
「ほめる」という行為は、このアクノレッジメントの中の代表選手。
これを繰り返すことでエネルギーを供給し続け、家族や友人から職場の同僚まで、
相手が目的とする場所へたどり着けるように、
そのエネルギーがやがて自分へと還ってくる。
というのがこのアクノレッジメントの目的です。
人を動かすアクノレッジメント
アクノレッジメントという言葉を辞書で引くと、「承認すること」と書かれています。
「承認」とは、ほめることが含まれますが、それだけではなく、人の貢献を讃えることやプレゼント、果ては挨拶や声をかけるという小さな日常のやりとりまで含まれます。
これらの全てに、「あなたの存在を認めている」ということを伝える「承認」の意志があります。
昔からお互い協力をして生きていた人間は、孤独であることはそのまま命の危険に直結していました。
そのため、今でも協力の輪から外れることが自分の中で不安を呼び起こし、落ち着いた気分ではいられなくなります。
人に存在を認められ、同時に受け入れられることで、自身の生存できるかを推し量ることができます。
つまり安心したいという欲求がある。だからアクノレッジメントは人間関係において大切な要素であると言えます。
認めること、ほめること
「ほめる」という行為はただ、「すごい」、「素晴らしい」という言葉をただ投げかけるものではありません。
相手を観察し、どんなことを思っているかを考え、どのような言葉を投げかけられると喜びを感じるのか、このことを踏まえてほめ言葉は発せられるべきです。
相手が一番聞きたい言葉をみつけ、伝えることができれば関係が大きく変わるのです。
「ほめる」という行為は技術と言えます。まずは練習あるのみ。
相手に言葉で承認を与えるとき、2つのスタンスがあります。
それはYouのスタンスとIのスタンス。
Youのスタンスは、「努力家だね」「優しいね」のように、相手の行為と存在の良さを伝えるもの。
Iのスタンスは「君のおかげで助かったよ」「君といるとこっちまでエネルギーが湧いてくるよ」のように、相手の行為や存在が自分にどう影響を与えたのかを伝えるもの。
より強い印象を与えるのはIのスタンスで、人は自分が他人にどんな影響を与えているのか聞きたいと考えています。
そのため、人から自分がどう相手に影響を与えたかを聞くことで自分の存在価値を認め、居場所を感じることができます。
自分で答えず、相手に意見を求めるというのも大きなアクノレッジメントです。
コーチングの考え方の中に「答えは相手の中にある」というのがあります。
すぐに答えを出すのではなく、相手に問いかけることで素晴らしい答えをもっている可能性を探る。
相手から帰ってきた答えに意味があるのではなく、問いかけたこと自体に価値があり、相手の答えや考え方に関心があるというメッセージになり、
期待や信頼を受けているというアクノレッジメントにつながります。
たった一言で気持ちは伝わる
ほめるといっても、いつも何かしら良い結果が出るとは限りません。
しかし、特別なことがなくても、常に何かを努力している人に対しての承認を人は望みます。
そんなときは、
余計なことは付け加えず、見たまま聞いたままを口にして伝える方法があります。
仕事の進捗や身につけているものなど、普段から観察をして、小さな変化をただ伝えるということがアクノレッジメントになります。
人によって接し方はさまざま
人が受け取ることのできるアクノレッジメントは、タイプによって差があるようです。
あるタイプの人はあるアクノレッジメントをとても心地よく感じるものの、
別のタイプの人はそうでもなく、むしろ不快とさえ感じてしまうことがあります。
そのため人と接する時は相手がどのような人間か見極める必要があり、少なくとも不快に感じるような接し方は控えたいところ。
人は百人百様、十人十色ですが、DNAには人の気質を司る遺伝子が存在する可能性が指摘され、古代ギリシアの時代にヒポクラテスが4つのたいぷがあるとしていました。
コーチングでは人のタイプを大きく4つに分けています。
- コントローラー
- プロモーター
- サポーター
- アナライザー
コントローラーは人や物事を支配するタイプ。
行動的、野心的で、自分の思う通りに進めるのを好みます。過程よりも結果、リスクを恐れず邁進し、決断力をもち、発言は単刀直入に。
その人自身ではなく、その人がまとめるチームのことやその人が出した結果に対して承認をすると喜びを感じます。そのときもお世辞には聞こえないように、シンプルな伝え方が好まれます。
プロモーターは人や物事を促進していくタイプ。
自分のオリジナルなアイデアを大切にし、人と活気あることを好みます。事を仕切るのが得意で好き。好奇心旺盛でエネルギッシュ、楽しさが人生で人に好かれます。
とにかくほめられることに弱く、発言の裏を読もうとはしません。周りから自分に向けられた関心がエネルギー源となり、
ないようは何でも、ほめられるとつい笑顔になってしまいます。
サポーターは全体を支持していくタイプ。
人を援助することを好み、協力関係を大事にします。周りの人の気持ちに敏感で気配りに長け、人が好きです。
周囲からの期待に応えようとコツコツ努力しますが、実はほめられたいという気持ちもあります。頻繁に相手の行動による影響を伝える(Iのスタンス)ように声をかけると喜びを感じることができます。
アナライザーは分析や戦略を立てていくタイプ。
行動する前に情報を多く集め、分析して計画を立てます。物事を客観的に捉え、堅実に動きます。人との関わりは慎重。
自分の専門性に対する認知がほめるときの重要な要素となります。
何か褒めたい時には、ただ「すごい!」というのではなく、具体的に何が良かったのかを伝えことで、よく理解されていると感じることができます。
以上、ほかにもまだまだ内容が含まれていますが、いくつかの項目を取り上げてみました。
感想
この本を読んでみての感想ですが、
これから良い人間関係を構築していくためにヒントになるものがあったと感じました。
特に、最近思うようになったのは、「人との接し方もいろいろと試してみる」というのが必要じゃないかということです。
この本を読んで自分の中で確信になりました。
自分の発言したことが相手にどう思われるか、
嫌なことを言ってないだろうかということばかり気にしていました。
いました。って書いてるけど今もめっちゃ気になります^^;
が、ただ嫌われていないかどうかを不安になって悩むだけじゃなくて、
しっかり相手の表情をみてどう感じているかを確かめないとダメなんですよね。
それがわからないと相手がどう感じているかもわからず、次に自分がどうすれば良いのかもわからない。
本当に、人の目を見るのって苦手なんですが、それじゃダメだと思えるようになりました。
人によって接し方を変える、という項目では4つのタイプに人間が分けられていました。確かに傾向はあるんだろなと思います。
しかし、人をただ4タイプの枠に当てはめて「こうしとけばいい」
なんていう接し方だけはしたくないですね。
あくまでこれは分類で、誰しも絶対に共通だということは忘れないようにしたい。
この本を読んだことで、今すぐどうにかなるわけじゃないと思います。
ですが、今までのように自分の中で人と接することを怖がって結局何もしなかった。
というのはもうさんざん経験してきたので、そろそろ新しいやり方を試したい。
と、小さく決意したところで、今回は終わります。