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「読書」知らないと恥を書く世界の大問題6〜21世紀の曲がり角。世界はどこへ向かうのか?〜

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こんばんは。

池上彰先生の本を読みました。

「知らないと恥を書く世界の大問題6

〜21世紀の曲がり角。世界はどこへ向かうのか?〜」(角川新書)です。

今回はイスラム圏で起きたことを一つ引用します。(端折り気味)

 

1979年、第二次世界大戦で大きなダメージを負ったソ連は、西側諸国との間に

緩衝地帯を必要としていました。その内の一つとしてアフガニスタンがありました。

アフガニスタンイスラム国家であり、ソ連と敵対こそしていなかったが、

自分たちの言うことを聞くソ連寄りの政権を作ろうとして内部工作を繰り返します。

それがなかなかうまくいかないのでついに攻撃を始めます。

 

アフガニスタンは「ジハード」と称して抵抗します。当時戦った戦士たちは

「ムジャヒディン」(イスラム聖戦士)と呼ばれました。

(「ジハード」(聖戦)というと戦いをイメージしますが、イスラムの教えを守ることが本来の意味であり、1日5回の礼拝や断食もジハードの一部だそうです。)

 

ここでアメリカがアフガニスタンを支援しました。

隣の反米国家のイランを避け、パキスタン経由でアフガニスタンを支援するのですが、

パキスタンアフガニスタンにまたがって生活する「パシュトゥン人」を利用して

資金と武器を援助します。

他のイスラム国家からも多くの支援がありましたが、その中には世界的に有名なサウジアラビアの富豪の息子であるオサマ・ビンラディンもいました。(国際的なテロ組織のネットワークであるアルカイダの指導者です)

結果的にアメリカがテロリストを育てるという事態になります。

 

ソ連撤退後、武器を持ったアフガニスタン兵が残り、今度はパキスタン

アフガニスタンパキスタン寄りにしようと画策します。

アフガニスタンから逃げてきたパシュトゥン人学生をイスラム文化の下で教育し、

「神学生」の複数形の意味である「タリバン」を養成します。

 

ソ連侵攻後、4つの民族(タジク人、ウズベク人、パシュトゥン人、ハザラ人)の

争いで治安が不安定になっていたアフガニスタンタリバンが攻めたことで治安が良くなりました。それまで勢力争いをしていた人間たちは北部同盟と呼ばれるようになったそうです。アフガニスタンでの争いは民族争いでもありました。

 

 

 

 感想

アメリカ、ヨーロッパ、イスラム圏、アジア、そして日本と

地域ごとに分けてそれぞれ解説されていましたが、特に興味深かったのは

イスラム圏の話です。

今はISが世界を騒がせていますが、その出現の発端となった1979年の出来事から始まり、歴史的な流れとともに今の状況の説明があります。

テロリストや中東問題など、今までよく知らなかった分野だけに時系列に沿った説明でとても勉強になります。文章も文字が大きく、わかりやすい言葉を使っているので非常に理解のしやすい本でした。

普段からテレビで解説番組を任されているだけあって、わからない人への配慮がされていて読みやすかったです。

ただ、テレビで見ている分にはお題に関してニュートラルなポジションで

説明のみに徹しているというイメージだったのが、

この本では意外と中国や韓国の批判をしたり

日本人寄りの説明があったりして、これまでのイメージと違って印象的でした。

ジャーナリストという立場上、あまりそういう主張はしないのかもしれないですが、

池上先生本人はどういう主義思想を持っているんでしょうね。

ちょっと気になりました。

今回はタリバンの話を書いたのですが、それ以外にもISの話や

EU内での軋轢、ウクライナ問題、アメリカの政治や安保法案の話も

載っています。よかったら読んでみてください。

 

 

 

 

 

なぜか6のリンクが見つからないので5のリンクを貼ってます。

今回読んだ6の前に5つもすでに発行されているんですね。

今度順に1から読んでみようと思います。